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小野寺祐太「忘れられない日」3・11重賞初Vに感慨

 記念すべき1勝を決めた小野寺(撮影・石井剣太郎)

 さまざまな思いが詰まった勝利だった。阪神スプリングJで10番人気ジェミニキングをVへと導き、重賞初制覇を飾った小野寺祐太騎手(33)=栗東・フリー。最後までインにこだわる姿勢が実り、「去年栗東に来てから、重賞を多く経験させてもらいましたからね。冷静に立ち回れたのもインコースに入れた要因」と振り返る。

 昨年5月に栗東へ所属を変更。決意新たに一歩を踏み出した。「チャレンジしたい気持ち、そして好奇心もあって。ゼロからのスタートでリスクが高いと思っていましたが、来たからには結果を出したかった」。関係者にもその熱意が伝わり、今回実を結んだ。

 レースが行われたのは3月11日。12年前、東日本大震災で震度7の被害を受けた宮城県出身の小野寺にとっても特別な日だ。「家族と連絡が取れたのは数日後。自分の誕生日前日に起きたのもあるし、忘れられない日。そういう日に勝てて、感慨深いものがありますね」とうなずく。

 デビュー15年目でつかんだ“1勝”。祝福メッセージは150件を数え、返信に2時間かかったという。「オーナーや厩舎、いろんな人が喜んでくれた1勝なので、ジョッキーとしていい仕事ができた、これ以上ない幸せだと思います。これからも気負わず、いつも通りに乗りたい」。33歳の挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。(デイリースポーツ・井上達也)


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