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《新馬戦10番人気から始まったシンデレラストーリー》
先週のエリザベス女王杯では、並み居る強豪牝馬を相手に3歳牝馬モズカッチャンが、自身にとっても厩舎にとっても初となるGⅠのタイトルを手に入れた。
春後半からの大舞台での粘り強い走りが印象的だが、遡れば昨年暮れのデビュー戦では13頭立ての10番人気という低評価だったモズカッチャン。
厩舎をよく知る情報筋の一人は、当時を振り返って『体型的に明らかな欠点があった』と語る。
というのもデビュー当初は背中が大きく湾曲しており、俗に“背ったれ”と言われる体型だった。
一般的に背ったれの馬は、前後の脚の力が分散してしまうためスムーズな推進力に繋がらないと言われており、動きにムダが多く、距離がもたない事が多いという。
それに加えて、牝馬としては幅があるたくましい馬体だったため、管理する鮫島師はこの馬を当初はマイラーと思っていたらしい。
そんな中で迎えたデビュー戦は、牡馬に混ざって善戦の6着という結果。
当時の鮫島師は『これなら1勝できるかな』と思ったそうだが、それでもさすがにその頃はGⅠどころか重賞を勝つような馬とまでは思ってなかったようだ。
その後3戦目で初勝利を挙げると、次の中山の500万条件もスローペースを味方につけて2連勝。
そして12番人気の低評価で臨んだフローラSでは33秒9の瞬発力を見せて一気に重賞制覇を飾り、さらにオークスでも勝ちに行く競馬で2着と大健闘。
さらに夏を越してからは、デビュー当時は欠点だった背ったれも筋肉がついてきた事で目立たなくなり、全身を使えるようになってフォームも伸びやかになった。
この成長には、鮫島師も自らの管理馬ながらパドックを歩いている姿を見て『イイ馬だな』と思うぐらいだったという。
改めてココまで成績を見ると、デビュー戦と休み明けのローズS以外は3着を外しておらず、一戦毎に成長を感じさせ、次々に新たな一面を見せてきたモズカッチャン。
次走はまだ未定との事だが、古馬になってさらに成長する可能性も十分にあり、来年の牝馬路線でも主役の1頭となるのは間違いないだろう。
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