京都
芝1200m
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
スタンド改築をはじめとする整備工事を行っていた京都競馬場が、2023年4月22日、満を持してグランドオープン。ファンはもちろん、地元京都の馬主さんも待ちに待っていた瞬間ですね。僕も楽しみにしていました。
地盤の改修工事を行っており、時計の出方や降雨の際の乾き方など変更点に対応すべき部分はあるものの、コース自体のレイアウトにホボ変更はないため、従来のコースをもとに、騎手目線でコースを分析していきたいと思います。
さて、内回りコースを使用する京都芝1200m。重賞競走で言えば、僕が現役時代にドリームカムカム(国枝厩舎)で騎乗した『シルクロードS』をはじめ『京阪杯』『葵S』などが行われるコースですね。
このコースは、阪神コースなどと比較しても、直線が短く、且つフラットなコースの短距離なので、基本的には『逃げ・先行馬』が有利と考えて問題はありません。
しかしながら、このコースはスタートして100mくらいで3mの上り坂になり、200mほど上ったところが3コーナーの入り口になっているレイアウト。
ですので、先行馬はただ単にスピードだけではなく“坂を駆け上がるパワー”も兼ね備えていなければ、序盤でスタミナを消費していまい最後の踏ん張りが利かなくなってしまうので『逃げ・先行馬』の選定には気を配りたいところです。
また、枠に関して触れると、乗り役目線で考えた時に、スタートから最初のコーナーまでが短いため、やはり『内枠』からの方がレース運びがしやすいのは間違いありません。
ただ、その分、スタートを決めることが非常に重要となるため、そのあたり騎手の特性(スタートの得手不得手)も把握しておきたいですね。
まとめると、この京都芝1200mにおいては【内枠に入ったパワータイプの先行馬】が馬券的には狙い目となります。ダートで先行力を見せていた馬の芝替わりは配当妙味も込みで面白い存在なのではないでしょうか。
欲を言うなら、そんな馬に積極性のあるスタートの上手な騎手が跨がり、且つ「何が何でもハナに行く」なんて気合のこもった胸の内が聞けたらアツいですね。