京都
芝1400m外回り
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
『芝1400m・内回り』が新馬戦・未勝利戦・1勝クラスなどの下級条件で使われるのに対し、『芝1400m・外回り』はスワンS・京都牝馬S・ファンタジーSなど重賞を中心に上級条件で使用されます。
コースレイアウトとしては『内回り』よりも100mほど前方からスタート。さらには直線も『内回り』よりも76m延びる(400mほど)こともあり、実力馬が力を発揮しやすい舞台と言えるでしょう。
一方、このコースも内回りとは違った意味で、騎手の腕ひとつで一発が期待できるコースでもあります。
この外回りコースの特徴として3~4コーナーは内回りよりもアップダウンがきつく、下りでスピードに乗るため4コーナーの出口で馬群が広がりやすい傾向があります。そこを狙い澄ました差しがこれまでにも決まっていますので、鞍上の思考ひとつで人気薄を狙い撃つことも十分可能と言えるでしょうね。
一例を挙げれば、19年・京都牝馬Sで9番人気のデアレガーロを勝利へ導いた池添騎手は非常に上手かったと思います。
仕掛けをワンテンポ置いて直線で内に進路を取り、そこから捌いて抜け出してきました。外々を回して追い込んできたリナーテとは立ち回りの決定的な差がありました。これは間違いなく池添騎手の腕で勝たせた勝利でした。
今回の改修工事で、いくらかコーナーが緩くなったようですが、恐らく基本的には同じ傾向になると思います。
以上のことからもお分かりいただける通り、同じ“騎手の腕で何とかなる”京都芝1400mでも、『内回り』は流れや展開に対応できる柔軟さが必要で、一方で『外回り』は、ある程度、経験(コース特性を知っている)が必要ということ。
その意味でベテラン騎手、先にも触れた池添騎手や、イン差しでお馴染みの岩田康騎手が騎乗していたら狙ってみるのも面白いでしょう。