京都
芝1600m外回り
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
『芝1600m・外回り』は【マイルCS】をはじめ、京都金杯やシンザン記念など名物重賞が行われるコースです。
コチラも2コーナー奥のポケットからスタートとなりますが『内回り』との極端な違いは、上級条件ということもあり、力差がさほどないレースが増え、展開次第では“直線での後方一気も決まる”ということ。
最初の3コーナーまでは700m近くあるので、各馬は各々のペースで向かいますが、その3コーナーに、外回りコース特有の通称『淀の坂』と呼ばれる坂が存在します。
高低差4m近くある坂で、向正面からユッタリと坂を駆け上がり、3コーナーにある頂上をすぎると今度は一気に4mの傾斜を下って4コーナーに入ります。
騎手目線で考えた時に、基本的には『勢いが付きすぎてしまう下り坂の傾斜の部分で馬を我慢させて直線まで脚をタメられるか』ということが大事になってきますが、一方で“奇襲”を仕掛けられるのもこのタイミングになります。
もちろん、レース展開や馬の個性、馬の状態がポイントにはなるものの、力差のない上級条件で勝利を掴み獲るには普通の競馬ばかりをしていてもダメですからね。
一例を挙げれば、20年の京都金杯。惜しくも勝ち星には繋がりませんでしたが、ボンセルヴィーソ(14番人気)の太宰騎手が、好位追走からこの傾斜で勢いを付けつつ早め先頭から押し切りを狙い3着と好走。高配当の立役者となっています。
事前に騎手サイドの作戦や思惑を知ることができれば、馬券作戦としても優位に運べるのは間違いありません。
僕が協力している【WORLD競馬WEB】では、このコースで行われた京都牝馬Sで1257倍や京都金杯で680倍を的中させているようですが、そういった波乱の決着を見抜けるのも、騎手サイドの作戦や思惑もシッカリと掴んでいるからでしょうね。