函館・芝1200m
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
競馬界の暦では安田記念週から夏競馬に突入していますが、北海道シリーズが始まると、より一層“夏競馬の到来”を感じます。
北海道と言えばやはり騎手も馬も滞在がメイン。特にその年デビューの新人騎手にとっては、稽古を手伝ったりなど、トレセンでは普段接しない関係者と繋がるチャンスでもあります。
もちろん、手綱捌きで結果を出すのが一番のアピールにはなりますが、秋競馬へ向けて、さらには今後の騎手人生を見据えた上でも大事な北海道シリーズになると思います。有意義なシリーズにして欲しいですね。
さて、この芝1200mは、重賞では函館スプリントSや函館2歳Sも行われるコースですね。この舞台でジョッキー思考のポイントとして挙げられるのが『展開を先読みするイメージ力(柔軟性)』です。
そのコース形態から枠順で言えば内枠が有利であり、騎乗する騎手としても「ロスなく立ち回りたい」気持ちが強いので、コース取りの意識も当然インに強くなります。
ただ、そういった状況で起こりうるのが“内枠の差し馬に訪れる悲劇”。それは即ち馬群に包まれたままレースが終わってしまう不完全燃焼の競馬です。
重賞競走ともなると一流騎手が揃っていますので、ポジション取りも含めてハイレベルな読み合いとなるので仕方ないところもありますが、条件戦では、騎手によってレース結果が大きく変わるレースでもあるのが函館芝1200mというコース。
そのあたりは騎手のリーディング順位だけではなく“滞在で毎年乗っている”こともコースを知っている点でアドバンテージになってきますので、そのあたりを把握しておけば馬券作戦も優位に運べるのは間違いありません。
ここまでは元乗り役目線での少しマニアックな解説にはなりましたが、シンプルな馬券攻略としては、やはり『内枠の先行馬』になってきますので、そこをベースに、上記はスパイスとして扱うのが効果的だと思いますよ。