WORLD競馬web

元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説

日本の競馬場において唯一の直線競馬ですね。

セトブリッジで千直として施行初の勝利を挙げさせてもらったり、カルストンライトオとのコンビでアイビスサマーダッシュ(ＧⅢ)を２度勝たせてもらったりと、僕が現役時代得意としていた舞台であり、想い入れの深い舞台でもあります。




まず、直線1000ｍ戦について知っておいて欲しいのは『たとえ1000ｍでも馬はスタートからゴールまで全力で走り切ることは出来ない』ということ。

“スピード勝負の電撃戦”という印象が強いかもしれませんが、道中どこかでタメが効かないと、最後の１ハロンで一気に苦しくなってしまいます。このタメを効かせるのは騎手の技術。一直線の1000ｍというコースの中で『いかにメリハリを付けて１００％の力を出し切らせるか』これは重要な要素です。

また、スタートもこのコースでは特に重要になってきます。好スタートを切って自然と良い位置が取れれば、道中の運び方も楽になりますが、出遅れてスタート直後から押して挽回するような形になると一気にリズムが崩れてしまいます。

その方法については当欄では敢えて伏せますが、私は、現役時代は直線1000ｍ戦の時だけ、一歩目がバシっと出るようにスタートの方法を変えていました。危険な面もあるので他のコースでは一切しなかった方法なのですが、それだけスタートが決まるかどうかが重要ということです。

馬券的な側面で言えば『千直競馬に適した馬』を把握することも大事ですが、僕としてはやはり『乗り方を知っている騎手』に注目したいですね。先ほど述べたような“メリハリ”をシッカリ理解している騎手です。

少し前なら西田雄一郎騎手(現調教師)がそうでしたね。逃げてヨシ、差してヨシと様々な形でも勝ち星を挙げられていたのは、好スタートを決めるのは前提としてメリハリを利かせたレースができていたからだと思います。

僕が協力している【WORLD競馬WEB】が５万馬券的中を仕留めたラインミーティアという馬も西田騎手の技術が勝たせたようなものでした。馬のキャラとしては決してテンに速いスピードタイプではありませんでしたが、シッカリと流れに乗って決め手を活かしていましたからね。

現役の騎手で言うなら鮫島克駿騎手でしょうか。千直のスペシャリスト、ライオンボスに巡り合えたことが大きいですが、勝ち方やレース運びなど同馬から様々なことを学んだと思っています。いつの時代も騎手は馬に教えられることも多いんですよ。

もちろん、千直は施行条件がそれほど多いワケではないですから、ココを目標にしてきた厩舎サイドの思惑を知ることも馬券を検討する上では大事になってきます。

先にも触れた【WORLD競馬WEB】は、その他にも、千直競馬では勝負度合いの高いレースで幾度も高配当的中を仕留めているようですが、そういったことが可能なのもシッカリと関係者の思惑を知ることができるような体制を整えているからなんでしょうね。

WORLD競馬webアプリ 買える騎手・損する騎手