東京・芝1400m
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
前提として『東京の芝コースは最も純粋な力勝負になりやすいコース』です。
これは、3~4コーナーが広くて緩く、外を回る、外に振られるリスクが少ないこと、直線が長くて馬群もバラけるため、進路が無くなる危険性が少ないし、力のある馬なら後ろからでも届くことが大きな理由ですね。
福島コースとは異なり、騎手のテクニックで着順を上げるというよりは、馬の力を信じて乗ることが重要なコースだと言えるでしょう。
さて本題の『芝1400m』についてですが“芝の短距離コース”と言えば、基本的にペースが流れて前傾ラップになりやすいのですが、この東京芝1400mは、スタートして60mすると緩やかな上りになり、350mほどすると3コーナーとなるため、条件の割にペースが流れないのが特徴ですね。
そうなると当然、ヨーイドンの上がり勝負になりやすいので、馬券的な狙いは『スピードが豊富でキレのある瞬発力タイプ』が狙い目と言えるでしょう。
ただ、ひとつ注意点としては、必ずしも“差し・追い込み馬”の独壇場ではないということ。これは特に『重賞競走』に当てはまることなのですが、重賞レベルのメンバーになると「スピードで先手を主張しつつ、直線でも速い上がりを使えるタイプがいる」ということ。
僕が協力している【WORLD競馬WEB】では、かつてこの舞台で行われた第50回・京王杯2歳S(GⅡ)で◎セカンドテーブル(12頭立ての11番人気)から897倍の特大的中を仕留めていますが、そのセカンドテーブルがまさにそうでした。
スンナリ先手を奪うと道中はペースを落とし、最後の直線でも34.1秒の脚を繰り出して後続に1馬身半差をつける完勝。東京コースを知り尽くした戸崎騎手に乗り替わって上手くエスコートされたことも大きかったとは思いますが、馬自体の適性も高かったように僕は感じています。
なので、先ほどの馬券の狙いに補足するなら“位置取りは問わない”要素を加えておきたいですね(逃げ馬ならぶっ放すタイプより溜め逃げできるタイプが狙い目です)。