東京・芝2000m
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
芝2000mは、東京芝コースの中では特に枠順に気を使いたいコースと言えます。
1コーナー奥のポケットからスタートして2コーナーまでの距離は短いため、2003年の改修工事後でも、多頭数の外枠は明らかに不利です。外枠に入ってしまうと、出して行けば掛かってしまうし、だからと言ってユッタリ行くと良いポジションが取れないですし、半端に行くと外を回されてしまいロスが生じるという、どういうタイプの馬にとっても大変なコースなのです。
ではあからさまに内枠が良いかというと……またそれも少し違います。内枠でも、外の各馬がスタート直後から内へ殺到してくるので、油断していると詰まってしまいます。ですので、大体3~6枠あたりが比較的安心して運べるところではありますが、それも全て他馬と他騎手の動き次第となりますので、駆け引きのポイントではありますね。
当舞台では古馬の最高峰GⅠ【天皇賞(秋)】が行われますが、その昔、コース改修前ではありましたが、武豊騎手がメジロマックイーンでスタート直後に内側に斜行してしまい18着に降着してしまうという事案がありましたが、7枠13番からポジションを取りに行ったことが要因(断然人気でしたし仕方ないんですけどね)でしたが、
見た目には決して強引にというわけではなかったですが、それでもやはりコース形態としてはスタート直後は特に混雑してしまうので、そういった事になってしまったのでしょう。
馬券的な狙いはメンバーレベルやクラスによってやや変わってくるイメージですね。2~3歳戦や下級条件では、スローに流れて先行馬が好走するシーンも多いですが、クラスが上がると差し馬が台頭してくる感じです。
とはいえ、基本ベースは“地力&勝負度合い”が高い馬が好走しやすい東京。先にお伝えした枠順の事も含め『中枠に入った実力馬』を中心に考えることで馬券作戦を有利に運べるのではないでしょうか。