
中京・ダ1800m
コース図・コース高低断面図


元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
ホームストレッチ中ほどからスタート。ゴール前を一旦通過して馬場を一周するコースレイアウトですね。向正面は下り坂で最後の直線に再び上り坂がありアップダウンが激しいため『スタミナを持つ先行馬』が有利であり、できる限りロスなく運べる観点から基本的には『内枠有利』と考えていいでしょう。
ただ、上級クラスの場合は少し注意が必要。高額条件になるとどうしても鞍上サイドも勝気になりますし、馬自体の脚質も固まっていることが多いので「何が何でも自分の形で」と出していくことで先行争いが激化するケースもあるからです。そうなるとやはり差し・追い込み馬の決着になるため、クラス条件によって柔軟に構えておく必要がありますね。
ひとつ穴っぽい馬の要素として紹介すると、内々を起用に立ち回れて決め手を持っている馬も面白い存在。実はこの中京ダート1800mの舞台は、3~4角がすべて下り坂であるため、直線に向いた時にバラける傾向にあるんです。その際に内1頭分、通れるスペースが生まれるので、そこを捌いて抜けてこられるタイプの馬がいたら狙い目になります。
このあたりは馬の特性に加えて乗り役の度胸なんかも大きく影響してきますが、18年のチャンピオンズCのウェスタールンドなんかは藤岡佑騎手がお見事でしたね。僕が協力している【WORLD競馬WEB】ではルヴァンスレーヴからそのウェスタールンド(8番人気)を本線に273倍を的中させていましたが、その当時「シリウスSのように内を捌く競馬で」という話も一部で出ていたみたいですし、狙い通りの競馬だったのではないでしょうか。
余談ですが、同様の競馬をしようとして失敗してしまったのが、19年のチャンピオンズCでチュウワウィザードに騎乗していた福永騎手。紙一重のところではありますが、クリソベリルとロンドンタウンの間を割って入れることができていたら、その後の終いの脚を考えても勝ち負けに加わることはできていたかも知れませんね。
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