阪神・芝1200m
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
スタートから最初のコーナーまでが258m、最後の直線が356mですから、合計で613mが直線部分。残りの587m(1200m-613m)がコーナー部分となるため、レース中のだいたい半分くらいはコーナーを回っている感じです。ですので内と外どっちか有利?と問われれば、コース形態としては、自然とロスなく内を立ち回れる内枠が“基本的”に有利とはなります。
ただ、乗り役の立場からすると、それほど内外の枠を気にしていないのが実情。何故なら、過去のパトロールビデオなど見てもらえれば一目瞭然なのですが、外枠の馬もコーナーに達するまでにインに切れ込んでロスなく立ち回ろうとするからです。なので、このコースにおいては、馬のダッシュ力(馬自体のキャラ)や乗り役の思考が特に大事。
このあたり、厩舎サイドの感触や乗り役サイドの思考を事前に知ることができれば、大外枠の馬からでも十分狙いは立ちます。一般的には内枠の馬の方が人気にもなりやすい傾向もあるので、馬券的妙味もありそうですよね。
ちなみに、秋競馬の開幕と同時に阪神競馬が行われる場合(※)、夏の小倉芝1200mで活躍した馬の転戦も目立ちますが、その扱いには十分注意が必要です。
同じ芝1200mでも、小倉コースは基本的に平坦コースですが、阪神は道中に勾配もあり、直線には急坂もあります。ですので、小倉芝1200mで好走してきた馬が阪神でコロっと負けてしまうケースもあるということ。根底には競走馬自体の能力があるのは間違いありませんが、人気でも疑ってかかるくらいの方がいいかも知れませんね。
※京都競馬場改修工事期間は、秋競馬の開幕は中京競馬場。