中山・芝2000m
コース図・コース高低断面図
元JRA騎手 ダービージョッキー 大西直宏の解説
牡馬クラシック第1弾・皐月賞が行われるコース。
トリッキーで器用さが求められる印象の中山のコースですが、内回りコースはキチっとした楕円形なので、道中は乗りやすいです。これは中山だけに限った話ではないですが、きれいな形のコースは、自分がゴールまでどのくらいの位置にいるか、どこでどう動けばいいか、ということを掴みやすいんです。
芝1800mと違って1コーナーまでの距離があるので、中山競馬場の中ではスタートで気負わずに済むコースでもあります。ですので、そこまで極端に枠の有利不利はなく、主張出来れば外枠からでもスンナリと先手を奪うことができます。
僕が現役時代にサニーブライアンとのコンビで勝たせてもらった皐月賞は8枠18番でした。サニーブライアンは決してスタートダッシュが速い方では無かったので、この大外枠が逆に勝因にもなりました。外から主張してスンナリと先手を奪うことができましたからね。
コースの特徴としては、中山ですのでやはりポジション争いはそれなりに熾烈なものがありますが、1コーナーを過ぎると落ち着くため、ペース自体はさほど速くなりません。ですので、基本的には先行有利という見方でいいでしょう。
2021年の皐月賞で言えば、僕の時と同じような乗り方をしていたのがタイトルホルダーの田辺騎手。スタートから先行の意志を見せ、2番手のポジションを確保。4角手前で前のワールドリバイバルを競り落として押し切る形で本来なら勝ちパターンでした。ただ、ロスなく立ち回ったエフフォーリアが強すぎましたね(笑)
そのエフフォーリアもタケシくん(横山武史騎手)が積極的にポジションを取りにいってのものでしたし、やはり中山芝2000mはポジション取りが大きなポイント。加えて、望めるならロスなく運べる器用さ(馬・騎手ともに)も必要ですね。