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【菊花賞2024予想】牡馬も二冠か?ダノンデサイルに挑む隠れた実力馬を見抜け!《最終更新》土曜の馬場傾向から浮上するタイプは?

ダノンデサイル一強にあらず?異例尽くしの菊花賞見どころポイント

ハルカ

進行を担当するハルカです。さて、今週は牡馬クラシック最終戦、菊花賞について分析していきましょう。

ダービーJ
大西直宏

大西直宏です。
今年の菊花賞は異例尽くしだね。ダービー馬がトライアルを挟まずに直行し、それ以外のダービー掲示板馬は出走しないという状況。注目すべき要素が非常に多い。当コンテンツでも様々な角度からしっかり掘り下げていきたいと思います。

この記事の目次

菊花賞 GⅠ

10/20(日) 京都芝3000m

出馬表

馬番 馬名 性齢 斤量 騎手
1ピースワンデュック牡357柴田善臣
2ノーブルスカイ牡357池添謙一
3アスクカムオンモア牡357北村友一
4ダノンデサイル牡357横山典弘
5ハヤテノフクノスケ牡357岩田望来
6ミスタージーティー牡357坂井瑠星
7ビザンチンドリーム牡357シュタルケ
8ウエストナウ牡357西村淳也
9コスモキュランダ牡357Mデムーロ
10メイショウタバル牡357浜中俊
11ショウナンラプンタ牡357鮫島克駿
12シュバルツクーゲル牡357松山弘平
13アーバンシック牡357ルメール
14メリオーレム牡357藤岡佑介
15エコロヴァルツ牡357岩田康誠
16ヘデントール牡357戸崎圭太
17アドマイヤテラ牡357武豊
18アレグロブリランテ牡357横山和生


一歩先行く!有力馬予習

ハルカ

まず最初に出走予定の馬の中から、上位人気に支持されそうな馬について詳しく見ていきましょう。

ダービーJ
大西直宏

前走時に「イイ状態で出走して勝ったのか」「実は、良くない状態だったのか」「関係者は自信があったのか・なかったのか」など。スポーツ紙・専門紙ではあまり取り上げられませんが、大事なポイントになりますよ!

ハルカ

情報競馬のプロフェッショナル、『匠』チームから注目ポイントをお伝えする【匠のウマいい話】も必見です!



直宏Eyeピックアップホース1
ダノンデサイル
前走:日本ダービー1着
安田翔伍厩舎(栗東)
横山典騎手予定

横山典による見事な騎乗が光ったダービーV

ダービーは、前半の5ハロンと後半の5ハロンのラップ差が約6秒と、非常にスローな展開でした。このレースを制した最大の要因は、何と言っても横山典騎手の好騎乗です。彼は過去にもダービーで何度も逃げの戦略を試みており、今回もその経験を存分に発揮し、大舞台で思い切った騎乗を見せてくれました。

スタートから無理に先頭に立たず、枠なりにインポケットに収まって2000mの間じっくり脚を溜めるという戦略を採用。この騎乗はまさに100点満点以上と言えるでしょう。結果として、2馬身差の圧勝も納得の内容でした。

ただし、このダービーの勝利がダノンデサイルの実力を完全に証明しているかどうかは、少し慎重に考える必要があるかもしれません。ダービーで掲示板に乗れなかった馬たちがその後、トライアルレースで巻き返していることを踏まえれば、勝利の価値は間違いなく高いものですが、まだ「絶対的な強さ」を身に着けたと断言するには、もう少し様子を見る余地があるでしょう。

皐月賞除外後のダービーは9番人気での勝利だったダノンデサイル

皐月賞除外後のダービーは9番人気での勝利だったダノンデサイル

チームMK
関西情報部
匠のウマいい話

ダービー終了後、ダノンデサイルは7月上旬には早くも菊花賞直行が発表されており、このぶっつけ参戦は予定通りや。安田翔師も「まだまだこれからの馬」と話しているように、今後の成長の余地が大きいようや。

実際に、京成杯からダービー直行で結果を出した実績があるんやから、今回のぶっつけ参戦自体には大きな不安はない。むしろ、成長面(特に気性や馬体)に注目し、どのような変化を見せているかをよく確認することがポイントや。



直宏Eyeピックアップホース2
アーバンシック
前走:セントライト記念1着
武井厩舎(美浦)
ルメール騎手予定

ルメールが引き出した潜在能力に注目

ダービーで11着に終わったアーバンシックですが、その敗戦を振り返ると、折り合いに専念しすぎた騎乗が一因と言えるでしょう。「末脚が武器」として認識されている馬ですが、どんなに強力な末脚を持っていても、超スローの展開で後方に構えたままでは、その力を十分に発揮できません。ダービーの不完全燃焼な結果を受けて、秋にはルメールへ乗り替わりが決定。

そして、セントライト記念ではルメールがその実力を遺憾なく発揮。従来の戦法とは異なり、前めのポジションから早めに仕掛け、直線ではしっかりと前を捉える騎乗で快勝を収めました。この結果を見る限り、ルメールの手綱さばきによって、アーバンシックの能力が“全く違うレベル”で引き出されたと言わざるを得ません。

ルメールの騎乗によって本来の力を存分に発揮すると、やはりこの馬のポテンシャルは相当なものです。菊花賞でも1番人気になる可能性がありますが、それに相応しい実力馬だと思います。

ルメールとのコンビで2歳秋以来の3勝目をあげたアーバンシック

ルメールとのコンビで2歳秋以来の3勝目をあげたアーバンシック

社台特捜班
マニアックス
匠のウマいい話

「長距離レースは騎手の腕で買え」という格言がありますが、ルメール騎手は菊花賞でも非常に安定した成績を残しています。特にノーザンF馬とのコンビでは、【③①⑦①②②①】と、2017年のアルアインで不良馬場に苦しんだ1度を除き、全て馬券圏内に入る安定感を誇ります。

京都競馬場特有の二度の坂越えも、ルメール騎手がパートナーであれば心配は少ないでしょう。経験豊富な騎手による堅実な騎乗に期待したいですね。



直宏Eyeピックアップホース3
メイショウタバル
前走:神戸新聞杯1着
石橋守厩舎(栗東)
浜中騎手予定

順調なら好走が期待できる、個性的な1頭

神戸新聞杯での勝利は、メイショウタバルの個性的な「キャラクター」が大きく寄与したものです。この馬には少し“暴走癖”があるため、騎手たちも序盤で無理に仕掛けることを避け、ハナを譲る場面が見られました。前半のペースは60秒0と平均的な流れでしたが、メイショウタバルにとっては十分に楽な展開で、終盤まで脚色が衰えることなく見事な逃げ切り勝ちを収めました。

勝因としては「良い枠順を引き、理想的な展開で走れた」ことが大きいですが、菊花賞でも同様に自身のペースで運べるかどうかが鍵となるでしょう。道中でスムーズに進めるかどうかが、この馬の結果に大きな影響を与えることは間違いありません。

菊花賞でも展開のカギを握るメイショウタバルと浜中騎手のコンビ

菊花賞でも展開のカギを握るメイショウタバルと浜中騎手のコンビ

馬券グループ
チーム舟木
匠のウマいい話

メイショウタバルの能力は、春のクラシック上位馬たちと比べても遜色ありません。前走のように落ち着いて折り合いがつけば、菊花賞でも上位進出が期待できるでしょう。距離適性についても、父ゴールドシップが名ステイヤーであったことから、長距離には問題なく対応できると考えられます。

とはいえ、最も重要なのは浜中俊騎手の手綱さばきです。騎手がどれだけ巧みにこの馬の力を引き出し、折り合いをつけられるかが、菊花賞での成績を左右するポイントになるでしょう。



ハルカ

まずは1週前段階での注目馬3頭を紹介しました。ココで紹介した以外にも 魅力的な馬も多く、楽しみなメンバー構成になりそうです。

水曜日以降は『的中を引き寄せるマル特データ』や『匠』チームの注目情報チェック馬などを紹介しますのでさらに深くレースを分析していきましょう!

ダービーJ
大西直宏

金曜の枠順確定後にはコース徹底解説や、出走メンバーを踏まえた展開予想もお伝えしますよ!



知ってそうで知らなかったサイン馬券』

スタッフ
吉田

今回もサイン派のスタッフ吉田がデータや時事ネタにまつわるサイン馬券をご紹介します。

競馬ファンなら、これまでにもレースが終わってみたら『実はそうだったのか!』と隠れたサインやジンクスに気付いた経験はあるのでは?

そのままマル乗りするかどうかは別にしても、こんなデータやジンクスも知っておいて損はないハズです。
ぜひ最後までご覧下さい!

今週の注目サイン

レース当日競馬場に来場する人物は要注目!

(10月17日)
前回は「5枠」に位置した馬には要注意と案内したが、当日ゲストプレゼンターの阿部一二三選手は今、大忙し。中間、TV出演やCSファイナルの始球式にも参戦。また月末に行なわれる「秋の園遊会」にも名前を連ねている。

また年末振り返れば、今年のスポーツイベントも沢山あったが「パリオリンピック」では日本の金メダル、メダル総数ともに海外大会の最多を更新。阿部兄妹の参戦も話題を集めたが記憶に新しい2024年のスポーツイベントだろう。今回、「菊花賞」出走予定馬にサイン馬に指名できそうな馬がいる。それは『アスクカムオンモア』だ。自身の馬名の意味は「冠名+もっと進化し発展を」。

しかし、肝心なのはその母「マキシマムドパリ」。馬名の意味は「パリの最高」とズバリ!ならば「アスクカムオンモア」をサイン馬に指名し、レース当日は対角位置、両隣にも注意したい。

(10月13日)
それでは簡単に秋華賞のサイン回顧をお話しよう。勝ったのは1番人気ルメール騎乗の「⑤チェルヴィニア」。2着は5番人気武豊騎乗の「⑩ボンドガール」。3着は2番人気戸崎騎乗の「⑭ステレンボッシュ」と人気サイドの決着に…。

サイン的には、6・7枠注意としたように2着に⑩ボンドガールが飛び込んできた。あとはご存知のように1、2番人気がサンドしてくれた。やはり、サイン的には人気薄が絡んでの決着を期待したい。

さて、話を戻して今年で85回目を迎える「菊花賞」。今年は「皐月賞」も「日本ダービー」も異なる決着だったため、戦前から混戦模様が予想される。当日の馬場コンディションも気になるところだがイベントでは東京とパリオリンピックで柔道金メダルに輝いた「阿部一二三」さんが来場する。

阿部一二三さんは今年、フェブラリーS、夏のWASJに続いて3度目のゲスト出演。競馬的な接点は見当たらないがキーワードを探せば『連覇』か…。そして、ゲスト出演した時の優勝馬は共に『5枠』に位置していた。菊のイメージがある『5枠』には注意が必要だろう。(続く)

結論
今年の気になるサイン候補

  • 阿部一二三さんがゲスト出演した時の優勝馬は共に『5枠』に位置していた。菊のイメージがある『5枠』には注意が必要だろう。
  • ならば「アスクカムオンモア」をサイン馬に指名し、レース当日は対角位置、両隣にも注意したい。

的中テクニック3(スリー)


ハルカ

今日はデータをもとに、過去の菊花賞で好走した馬の特徴を深掘りしていきましょう。

ダービーJ
大西直宏

京都3000mは年間でも菊花賞と万葉Sの2回しか行われない特別な舞台です。向正面の上り坂途中からスタートし、外回りを1周半、6つのコーナーを回る、独特なコースですよね。

的中テクニック1

「長距離でも血統は過信しすぎない」

大西直宏

短距離血統でも好走する例があるんです!

過去8年の菊花賞の勝ち馬を振り返ると、同じ種牡馬の産駒が多く勝利していることが分かります。(これだけ見ると、一体何のレースの結果なのか分かりません)

■菊花賞勝ち馬の父
2023年ドゥラメンテ
2022年ディープインパクト
2021年ドゥラメンテ
2020年ディープインパクト
2019年ディープインパクト
2018年ディープインパクト
2017年ルーラーシップ
2016年ディープインパクト

『長距離=血統』と考えがちですが、昨今の菊花賞では、高速馬場においてスピードの比重が高まっており、後半5Fの上がり勝負になるケースが多く、バリバリのステイヤーの出番が減っているのが分かります。

過去にも、ニホンピロウィナーやフジキセキ産駒も馬券圏内に入ったことがあり、キタサンブラックも菊花賞向きとは思えない血統(母父サクラバクシンオー)で勝利し、その後大きく飛躍しました。



社台特捜班
マニアックス

直近ではディープ産駒が強い印象ですが、以前は「3000m超はディープ産駒にとって鬼門」と言われていました。しかし、サトノダイヤモンドの勝利を機に流れが変わりましたね。今の高速馬場と、折り合いが重要な上がり勝負の競馬では、短距離血統でもあまり気にしなくて良いかもしれません。



的中テクニック2

「単騎の逃げ馬に要警戒」

大西直宏

長距離で逃げ馬を自由にさせると危険

単騎で逃げる馬に注意するのは競馬の常識ですが、特に長距離戦ではその威力が増します。他に同型の逃げ馬がいない場合、ペースを支配できる逃げ馬が圧倒的に有利な展開を作り、前残りが起こりやすいです。

実際に、独り旅で気ままに走らせていると、能力的に劣っている馬でも粘り込んでしまうケースが多々あります。道中の消耗がゼロに等しいのだからそれも当然ですよね。とりわけ、有力馬に差し・追い込み馬が多い場合は、後方で有力勢同士が牽制し合い、仕掛けが遅れるということもあるので余計に粘り切るチャンスが増えます。


【菊花賞で馬券に絡んだ逃げ馬】
2021年 タイトルホルダー ①着
2013年 バンデ      ③着
2006年 アドマイヤメイン ③着
2001年 マイネルデスポット②着
1998年 セイウンスカイ  ①着



チームMK
関西情報部

菊花賞と似た舞台である天皇賞春(芝3200m)でも逃げ馬は要注意とされる。イングランディーレやビートブラックの例があるやろ。大波乱の時は決まって人気薄の逃げ残りというのがお決まりのパターンや。今年の逃げ馬メイショウタバルは人気薄ではないけど、単騎で楽逃げさせるとウルサイ存在になるで。



的中テクニック3

「長距離レースは騎手の腕が重要」

大西直宏

長距離は騎手で買え…は本当か!?

「長距離は騎手で買え」という格言がある通り、長距離戦では騎手の手腕が結果に大きく影響します。一般的に競馬は「馬7:騎手3」と言われますが、長距離戦ではその比率が変わり、時には「騎手7:馬3」になることすらあります。

長距離レースは「荒れやすい」と言われますが、その理由は『展開』が着順に大きく影響を与えるからに他なりません。短距離だと強い馬なら「回ってくるだけで勝つ」ことが多いですが、長距離だとどんなに強い馬でも「乗り方を少し間違えた」だけで惨敗してしまうこともしばしば。

「展開に惑わされて仕掛けのポイントがズレてしまった」
「折り合いを欠いてしまってうまく制御できなかった」
「京都名物の上り下り、スパートのタイミングを逸してしまった」


これらはレース後によく聞く敗因で、とにかく長距離戦は乗り方が難しいもの。展開が重視される長距離では、ペースを読める一流ジョッキー(特にベテラン)の存在が大きな鍵を握るのは間違いないでしょう。



馬券グループ
チーム舟木

今年の菊花賞では50代のベテラン騎手が多数騎乗します。柴田善(58歳)、横山典(56歳)、武豊(55歳)、岩田康(50歳)。そして、シュタルケ(50歳)も50代であり、ベテランたちの腕比べが注目されています。

このうち、一度も菊花賞勝利がないのが柴田善騎手。彼は2年11ヵ月ぶりのGⅠ参戦で、自身にとっても初のクラシック制覇がかかっており、注目したいですね。



『匠』注目の情報チェック馬


ハルカ

木曜は『匠』チームから、前走時に注目すべき情報が入っていた馬を取り上げてもらいます。

ダービーJ
大西直宏

前走時に陣営がどんな思惑で使っていたのか、そして今回はどんな話をするのか、一連の流れを「線で見る」ことは非常に大事ですね。

前走時の情報の中に、ここを使ってきた本当の意味や狙いが隠れている場合もありますよ。

匠の注目馬1

アドマイヤテラ
茶臼山特別1着
友道厩舎(栗東)
武豊騎手予定
戦績:3-1-0-2

前走について

馬主特捜班
キングダム

札幌での阿寒湖特別は、勝負どころで捌ききれずに取りこぼし。そういった経緯から、前走は絶対に取りこぼせないという陣営の強い意志が感じられました。「調教は相変わらず動かないが、走りのバランスが良くなってきており、前向きさも出てきた。進化している」と、陣営からは前向きなコメントが聞かれました。その言葉通りに、キッチリと勝ち上がりましたね。アドマイヤミヤビの子供という血統背景もあり、この馬にはオーナーサイドも大きな期待を抱いています。

今回の見どころポイント

大西直宏

ルメールは別の先約があるため乗れませんが、彼も「この馬は長い距離で良いパフォーマンスを発揮する」と高く評価しています。ゆったりと運んで、最後に切れる脚を使えるタイプで、武豊とのコンビも相性が良さそうです。怖い1頭と言えるでしょう。



匠の注目馬2

メリオーレム
神戸新聞杯5着
友道厩舎(栗東)
川田騎手予定
戦績:3-2-2-1

前走について

チームMK
関西情報部

友道厩舎には多くの菊花賞候補がおるけど、この馬も期待度の高い1頭やな。神戸新聞杯が初の重賞挑戦やったけど、陣営は「ここで勝てなければ菊花賞では通用しない」と厳しい注文を出しとった。結果は5着と権利は取れなかったが、抽選なく本番に出走できるのは好材料。シュヴァルグランの仔という血統を考えれば、さらに距離が伸びて魅力がアップしそうや。

今回の見どころポイント

大西直宏

川田クンが菊花賞路線を意識して歩んできた3歳馬は、メリオーレム、ヴェローチェエラ、インザモーメントの3頭がいます。インザモーメントは前走で代打騎乗の勝利、ヴェローチェエラは先週やっと勝ち上がり。したがって、メリオーレムとのコンビで菊花賞を目指すのは自然な流れ。意外なことに、菊花賞路線(芝の長丁場)ではそこまで結果が出ていない川田クンですが、今年はどんな手綱さばきを見せるでしょうか。



匠の注目馬3

コスモキュランダ
セントライト記念2着
加藤士厩舎(美浦)
デムーロ騎手予定
戦績:2-4-0-4

前走について

元厩務員チーム
F氏

セントライト記念はトライアルとして理想的な仕上げで臨んでいます。「休み明け初戦ですが、乗り込みとしては順調。まだ良くなる途上ではあるけれども、十分力を出せるデキ。中山は得意ですし、この条件にも不安はない」と、陣営からも好ムードの話がありました。賞金面の心配もない馬で、必ずしも権利を取らなければならない立場ではありませんが、2着はトライアルとしては上々の結果。本番での上積みも期待できるでしょう。

今回の見どころポイント

大西直宏

馬体重に大きな変動はありませんでしたが、胴長で脚長の体型は、いかにも長距離向きのランナーという印象です。一瞬の瞬発力では見劣りするものの、長く脚を使う機動力が武器。アルアイン産駒はサンプルが少ないため適性が分かりづらいですが、この馬は長距離でこそのキャラクターに見えます。



大西直宏が乗りたい穴馬『僕ならこう乗る!』



ハルカ

金曜は大西さんが「自分で乗ってみたい穴馬」を1頭ピックアップします。元乗り役ならではの着眼点はさすがと思わされます。

ダービーJ
大西直宏

注目を集める人気馬を相手に、僕だったらどう乗って一発を狙うか?その考えや戦略をお伝えしたいと思います。


レースの見解

今年は菊花賞トライアルでダービー出走組が全ての優先出走権を獲得。クラシック経験組の優位が際立っています。クラシック戦線を戦い抜いてきた馬たちの経験と総合力は、やはり一枚上手と言えるでしょう。秋華賞でも春のクラシック上位組が決着をつけたことからも、今年の菊花賞もクラシック組を中心に考えたいと思います。

大西直宏が乗りたい穴馬

コスモキュランダ

コスモキュランダが弥生賞でミルコ・デムーロ騎手と初めてコンビを組んだ際、その騎乗ぶりはまさに全盛期のミルコを彷彿とさせるものでした。先入観にとらわれず、思い切った積極的な騎乗を見せたことが、この馬のポテンシャルを最大限に引き出す大きな要因でしたね。人気薄だったこともあって攻めの姿勢を取れたのでしょうが、その結果、コスモキュランダの能力を存分に発揮させることができました。

その後、皐月賞ではミルコが別の馬に騎乗したため、代わりにジョアン・モレイラ騎手が手綱を取りましたが、この乗り替わりも非常に良い結果を生みました。モレイラは「ビデオを見て研究した」と語り、それまでのマクリ戦法にこだわらず、レースの流れに乗った競馬でしっかりと結果を出しました。馬自身もキャリアを重ねるごとに着実に成長しているのが分かります。

ダービーで再びミルコに手綱が戻りましたが、僕はあのダービーでの騎乗を評価しています。前残りの展開だったため、途中で動くしかないレース状況でしたが、ミルコはコスモキュランダを向正面で早めに仕掛け、やるべきことはきちんとこなしました。東京の速い上がり勝負には合いませんでしたが、6着という結果でも評価を下げる必要はないでしょう。

前走のセントライト記念では、本番を見据えた調整段階にありながらも、覇気が感じられ仕上がりは良好でした。勝ち馬には惜しくも屈しましたが、勝負所での手応えや抜け出す脚の速さなど、皐月賞2着馬としての実力を存分に見せました。枠順やレース運びの差で敗れただけで、アーバンシックも決して勝てない相手ではありません。ミルコもこれまで3度騎乗しており、馬の特性を十分に理解しているはずです。どのポジションで乗り、どのタイミングで動くべきか、すでにシミュレーションはできているでしょう。

もし僕が乗るなら、セントライト記念のような戦略を取ります。道中は中団でしっかり脚を温存し、4コーナーで早めに好位に取り付き、直線では早めに勝負をかける。インの進路を意識して極力ロスを抑えながら立ち回ることができれば、勝負に持ち込むことができるはずです。

大西直宏のコース徹底攻略[重賞版]



ハルカ

このコンテンツでは今回の舞台となるコースを騎手目線で大西さんに解説して頂きます。

ダービーJ
大西直宏

土曜の競馬終了後には、その週の傾向と最新の馬場状態分析をお届けします。お楽しみに!



菊花賞GⅠ

京都芝3000m

レースコース解説

京都芝3000mは、年間でも菊花賞と万葉Sの2レースしか行われない非常に特殊な舞台です。スタートは向正面の上り坂の途中から始まり、外回りを1周半、計6つのコーナーを回るレイアウト。長距離戦であるため、ペースが急激に速くなることは少なく、基本的にはじっくりと進む展開が多いです。

とは言え、「少しでもスタミナを温存したい」という騎手の心理から、内ラチ沿いをいかにロスなく運ぶかが鍵となります。スタート直後のポジション取りが、勝負を左右する最大のポイントと言っても過言ではありません。

僕はサニースワローで菊花賞に参戦した際、スタート直後に好位の内を確保し、極力ロスのない競馬を心掛けました。結果的には3000mの距離適性の差が出てしまいましたが、自分の騎乗としては『完璧な競馬』ができたと自負しています。

一方で、1番人気で単枠指定だったメリーナイスは大外18番からのスタートで、序盤から引っ掛かってしまい、終始チグハグな競馬となりました。ダービー馬でも乗り方一つで結果を出せない難解なコースであることが、菊花賞の特徴です。


スタート直後のポジション取りが、勝負を左右する最大のポイント

スタート直後のポジション取りが、勝負を左右する最大のポイント



■馬場状態と時計の出方
先週の京都競馬場の芝状態を見ると、秋華賞で好タイムが出たように、馬場は例年通り時計が速くなっています。良馬場であれば、通常よりも2秒ほど速いタイムが期待できそうです。脚質に関しては、必ずしも先行有利とは限らず、展開次第では追い込み馬にもチャンスがあります。秋華賞ではハイペースの流れの中、2着のボンドガールが後方から大外一気に突っ込んできたのが良い例です。

今週は金曜と土曜に小さな傘マークが付いていますが、日曜日は晴れ予報のため、大きな影響はないと思われます。しかし、土曜の雨が馬場にどのような影響を与えるか、しっかりとチェックする必要があります。(土曜の競馬終了後に最新の情報を追記します)

■菊花賞の有利なポジション
長距離戦での馬券作戦としては、まず『スタミナのある馬』、そして『内枠から好位を取れる馬』を狙うのが鉄則です。今年はメイショウタバルがどのような逃げを打つかがポイントですが、秋華賞のように一頭が飛ばす展開になると、後続集団の先頭付近にいる馬たちに有利な展開が生まれる可能性があります。

その集団はエコロヴァルツや、それを見ながら進むダービー馬ダノンデサイル、そして道中から積極的に動いて早めに勝負圏に取り付く可能性が高いコスモキュランダなどが、好位置に収まりそうです。これらの馬たちが直線に入ってメイショウタバルを捕まえに行き、叩き合いになる展開が予想されます。


「離れた先頭馬群の先頭集団に展開利」

勝負所の4コーナーで有利なポジションにいるのは?



土曜の傾向と馬場情報

大西直宏

■雨の影響で、長く脚を使える持続力タイプに要注目!

土曜の雨は予想していたものの、想定以上にしっかりと降りました。芝のレース5鞍の時計を見ても、 先週までとは大きく馬場が変わった印象です。土曜は稍重の発表でしたが、それ以上に時計がかかっていたのではないかと感じます。

この雨は夜には止む予報ですが、朝からは晴れるものの気温があまり上がらず(かなり寒い)、馬場の急回復は期待しにくいかもしれません。最近の例で言えば、良馬場ながら時計がかかった2019年のワールドプレミアや2020年のコントレイルが勝った年に近いイメージです。

その2年はいずれも、上がり最速が35秒台にとどまり、タフな持続力が求められるレースでした。今回も、同様に長く脚を使える持続力タイプの馬が浮上してくる可能性が高そうです。

大西直弘の絞りに絞った3頭

厳選に厳選を重ねた3頭で獲りましょう!
今回、初めてご利用の方に限り!レース当日には、ダービージョッキー大西直宏が騎手目線で見抜いた【絞りに絞った厳選3頭】を特別無料でご覧いただけます!

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