『先週の振り返り』東京4-5週目の分析

■天皇賞(秋)の振り返り

先週は好天に恵まれた中、第172回天皇賞（秋）が行なわれた。ハナを切ったのは大方の予想通りメイショウタバル。２番手もこれまた予想通りのホウオウビスケッツ。そのホウオウが終始手綱を引っ張ているような遅い流れで、1000m通過は62秒。そんな遅い流れの中でも勝ち馬マスカレードボールは促されながらの追走。まだまだ遊ぶ気性が改善し切れていないもよう。直線に入ってタスティエーラに一瞬突き放されたように、エンジンの掛りも相変わらず遅い。それだけ今後、更なる上積みが期待できるということであるが、現時点でもエンジンが掛かっての脚は超一流のもの。究極の上がり４F44秒4を差し切ったのは圧巻。枠入りをかなりゴネたり、道中のフワフワした感じはまだまだ子供。今後の成長を考えると末恐ろしい。

２着は同じく３歳馬のミュージアムマイル。勝負どころで少し捌きに手こずった分の差とも言えるが、勝ち馬は抜け出して再び遊んだ感じもある。臨戦過程としてもミュージアムの方が良かった。それらを考慮すれば完敗とも言えなくない。しかし今回は勝ち馬の得意の舞台。右回りに替われば、まだ甲乙付け難い。

３着は６歳馬ジャスティンパレス。イクイノックス、ドウデュースら最強世代の１頭である。前走宝塚記念が先行、内有利の競馬を外から強襲。内を伸びた２着ベラジオオペラとは僅差であっただけに復調気配はあった。同馬の好走もフロッグとは思わない。

古馬の大将格は２番人気タスティエーラであったが、こちらは６歳勢とは逆に個人的には最弱世代と思っている。皐月賞馬ソールオリエンス、ダービーの同馬、菊花賞馬ドゥレッツァは、古馬になってからは３頭合わせてタスティの１勝のみ。その１勝、QエリザベスⅡ世Ｃにしても、リバティアイランドが取り消して海外勢もそれほどではなかった。今回のタスティも超スローを好位から抜け出す理想的な形。それでメイショウタバルにさえ差し返されたのは不甲斐ない。ソウルオリエンスに至っては殿負け。今後も５歳勢が人気となった際は注意が必要。

しかし、注目したいのも５歳馬の４着シランケド。発馬一息で超スローの最後方。直線は大外まで持ち出すロス。ラスト200でも１頭だけ離れた最後方。そこからが物凄い脚でアワや２着という勢いを見せた。上がり31秒7も驚きであるが、おそらくラスト200mは9秒台。驚愕の末脚である。５歳勢と言っても、牝馬であるし３歳時は１勝の身の上。昨夏からの上がり馬であり、初GIのビクトリアMも３着ながら一番強い競馬。前走は菊花賞馬を押さえての勝利。まだ休み休みで万全とは言えないものの、ここに来ての進化は目覚ましい。５歳馬ではあるが、同馬だけは別格と見たい。次走狙い馬は迷わずこの馬。

東京の馬場状態について

東京５週目は金曜晩の雨により、芝稍重、ダート不良にてスタート。芝はＢにコース替わり。傷んでいた部分の半分以上は覆われていた。前半戦の時計は良馬場の推定より少し掛かっていたが、良に回復した午後はほぼ推定通りに。12Ｒだけは速い時計となった。ダートは終日高速化。メインのペルセウスＳはレコード決着に。速いペースが多かったこともあるが、意外に差し馬の台頭が良く見られた。

芝は日曜の方が乾いたはずであるが、スローPの競馬が多かったため、推定か天皇賞のように遅めの時計が多かった。速かったのは平均Pで流れた４Ｒの新馬くらい。ダートは土曜ほどではないにしても、推定より１秒以上速い時計が多かった。一番乾いた12Ｒだけはペースが遅かったこともあって推定並み。当然、先行有利であった。

今週も芝はＢコース。思ったほどは傷みを増した感じはなく、雨が降らなければ速い時計が出そう。土曜のうちは先行、内有利と見て良さそう。ダートも乾いていれば水準並みの時計。適度に差しも利く馬場だ。

４回東京５週目からの次走狙い馬

このコンテンツの続きを
ご覧いただくには
無料会員登録が必要です。

下記のボタンをクリックして空メールをお送り下さい。すぐに【ＷＯＲＬＤ競馬ＷＥＢ】から確認メールが届きます。

※既に会員登録がお済の方はログインして記事をご覧ください。

▼コチラも必見！アルゼンチン共和国杯を完全攻略！